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​伝統を未来に繋ぐ

「伊勢麻」の生産者

 精麻の生産については、国内唯一の生産地、栃木県でも従事者が激減(10軒程度)、深刻な高齢化が進み後継者がほとんど現れない状況にあります。そのような中にあって、伊勢麻の生産者である谷川原夫妻は志高く、厳しい環境に堪えて生産を継続してくれています。彼らは日本の麻栽培、精麻生産の世界に久々に表れた希望の光です。この光が消えることは、日本の麻栽培、精麻生産の終焉のみならず、神社祭祀に代表される日本の伝統の断絶につながりかねません。谷川原夫婦が精麻生産を生業としていけるよう、又、麻農家が魅力ある農業として確立し彼らに続く者が現れる環境が整うまで、皆さまの御支援をお願いします。

                         伊勢麻振興協会 代表理事 小串和夫

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2015年 研修先の麻畑の前で

谷川原 未来(たにがわら みく)

株式会社伊勢麻 取締役/麻曳き担当

略歴:昭和55年(1980)志摩市出身。県立宇治山田商業高校卒。高校時代は陸上部で長距離の選手として活躍。製菓専門学校、製菓職を経て谷川原健と結婚。平成27年(2015)に栃木に家族で移住。子供3人(当時6歳、4才、1才)の子育てに追われながら大森美代子さんの下「麻曳き」の技術を学ぶ。現在も子育てに追われながら麻をひく毎日。通称「みくさん」。

谷川原 健(たにがわら けん) 

株式会社 伊勢麻 代表取締役社長/栽培加工責任者
略歴:昭和55年(1980)伊勢市出身。三重県立水産高校卒。高校時代はラグビー部キャプテンとし活躍。志摩自然学校のネイチャーガイドを経て、平成27年(2015)家族で栃木県に移住。三重県より「新規就農者支援助成金(開始型)」を受け、生産量日本一の麻農家 大森由久さんの下で研修を開始。 2年間の厳しい修行を積み、麻の栽培、精麻加工技術を習得。平成29年(2017)三重県に栽培免許申請するも不許可に。平成30年(2018)伊勢麻振興協会として栽培免許を取得、協会社員として精麻生産を開始。令和元年(2019)からは自身が設立した農業法人「㈱伊勢麻」で精麻生産を開始。通称「けんさん」。

 

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栃木県に家族で移住。2年間の研修生活

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伊勢麻の生産者が置かれている

​厳しい環境

(追記)2022年12月におこなわれた三重県大麻取扱者指導要領の改訂により、理不尽な栽培規制はほぼ解消されました。しかしながら、精麻生産者の農業経営は依然厳しい状況が続いております。精麻生産が魅力ある農業、誇りある仕事になって始めて後継者が現れ、伝統が継承されていきます。その為にはまだまだ多くの課題が多くあります。その課題を乗り越える為にも引き続き皆様のご支援が必要です。

行政による理不尽な規制が、日本の伝統文化を断絶の手前にまで追いこんだことの記録として、又、再び麻農家に理不尽な規制がかけられることがないよう、こちらのページはその記録として残しておきます。

□伝統的麻栽培、精麻加工技術の継承を不可能にしている三重県の規制

伊勢麻の生産者は、三重県の科学的合理性、他県の長年の実績を無視した、極めて厳しい基準の下、精麻生産を続けています。どれほど理不尽な規制のなか、伊勢麻の生産者が精麻生産に取り組んでいるのか知って頂くために、三重県の大麻取扱者指導要領、又その運用基準の問題点について説明させて頂きます。

□はじめに(古来より、安全に栽培されてきた日本の麻)

伊勢麻が栽培する麻(大麻)は、毎年 三重県の検査を受け「薬理成分(THC)が極めて低いもの」と証明されたものです。日本で古来より栽培されてきた、これら薬理成分が極めて低い繊維型の麻が、過去に畑から盗まれ違法薬物として使用されたことはなく、又、厚生労働省による最新の検証(濃縮すれば薬物原料として利用可能か)においても、濃縮しても薬物原料として利用される恐れは考えにくい、との検証結果がでております。国内唯一の精麻生産地である栃木県では柵や防犯カメラなどもなく集落内で他の農作物と同様に栽培されています。

 

このことを知って頂いた上で、以下読み進んで頂き、三重県の栽培許可の基準のあり方が適切なものか、一緒に考えていただけたら幸いです。

□三重県の大麻取扱者指導要領、又、その運用の問題点​

(栽培地の管理)

・2m以上の堅固な柵の設置

・柵の上の有刺鉄線の設置

・防犯カメラの設置。6反程度の畑に20台以上

・栽培地の横を流れる川に架かる農業用の簡易的な水路橋(幅30cm程度)への柵と有刺鉄線の設置

・柵の柱と網を固定する金具を止めるネジ山の全てを潰すよう指示

・栽培地の毎日の巡回警備。栽培していない(畑に大麻草がない)期間も定期的な巡回等、警備継続

・農作業を手伝う者全てに医師の診断書(麻薬中毒者でない)、宣誓書の提出

(栽培地の要件) 「道から容易に見通せない場所」

・農業をするような場所で、道から容易に見通せない場所を探すことは極めて困難で、栽培地の確保するにあたり大きな障害になっている。

・このような場所は人里離れた極めて不便な場所で、収穫物の移動、農機具の搬入等にも極めて手間がかかり農地として不適。又、農地に通うだけでも多大な時間がかかる。

・人里離れた場所は防犯上好ましくない(防犯管理の常識)。栽培地に問題があったら直ちに駆けつけることを要求する県の要件とも矛盾している。

・道から畑が見通せる箇所に「目隠し」の設置を求められる。屋外でそのようなものを設置することは技術的、費用的に現実的に不可能。
 

*柵、有刺鉄線、防犯カメラ、目隠し・・このような設備を設置することで、ここで栽培している麻が違法薬物としての利用価値があるかのような誤解を与え、防犯上逆効果になっている。

(種の保管場所、種の干場の管理)

・種の保管場所

 建物に固定した堅固な保管庫の設置が義務付けられており多大な費用が発生。

・種の干場

 種の干し場も種の保管場所と同等の管理が求められる。

 この基準を満たす設備を確保するためには多大な費用が発生し現実的に不可能。

 結果として栽培地内で種を干さざるを得ない。このことで、種が栽培地外に飛散するリスクが高

 まることや、農作業上の手間・コストが格段に上がることを説明しても聞き入れてもらえない。

 

 

栽培地にかかる情報の開示の制限)

・報道機関の栽培地への取材

・生産者の情報発信

・栽培地の見学

・生産者の子供を栽培地につれていくこと

以上のことは「栽培地が特定され盗難のリスクが高まる」との理由で制限されています。発信する、写真、文章等から栽培地の場所が特定されないよう配慮しても不可とのことです。

以前は、議員の視察も制限されておりました。又、生産者の​顔が世間に知られると、本人の跡をつけて栽培地の場所が特定される恐れがあるので、生産者がメディアにでることも好ましくない、との指導を受けました。

⇒生産者の尊厳は傷つけられ、風評被害(危険なものを栽培しているという誤解)にも繋がっている

⇒事業をPRする機会が奪われ、農業経営を圧迫している。

⇒行政からの不当な扱いを世間に知って頂く機会が奪われている。

⇒薬物原料となりうる麻を栽培しているという誤解を広げ、結果として盗難のリスクを大きくしている

(栽培目的の制限 ⇒ 生産物の流通先の制限)

・県内(三重県神社庁包括下)の神社祭祀で使用する精麻のみの栽培を許可

 ⇒伊勢麻の精麻を供給できるのは、県内の神社のみ

  *県内の神社であっても「需要調査」に回答していない神社への精麻の供給は不可

  *県外の神社への精麻の販売は不可

  *伝統産業、個人への精麻の販売は不可

  *(そもそも)許可を受け安全に栽培され、そこから生産されたもの全てを、栽培目的で認め

   ていないという理由で全て制限できるのか?(経済的自由の侵害に抵触する恐れ)

 ⇒神社ごとに「社会的有用性」の評価が必要。調査に多大な手間、費用が発生

 ⇒行政が伝統文化の価値について評価するということの問題(信仰の自由に抵触の恐れ)

  *社会的有用性の評価基準について説明を求めても一切明示しない

 ​

・精麻生産量のうち神社祭祀向けに適した品質のものは全体量の3~4割程度しかありません。これ以外の品質の精麻も、糸、綱、和紙の原料・・等、伝統産業を中心に需要があり、こちらの需要者への売上げは麻農家にとって貴重な収入源です。これらの販売が制限されれば麻農家は生きていけません。

 

(三重県の規制が変わらない限り、精麻加工技術の継承は不可能です)

このように、伊勢麻の生産は、栽培地の管理に過剰な管理義務を負わされ、生産物の販売先も極めて狭い範囲に限定されています。「許可は出すが、現実的に業として継続することができない」規制や義務を生産者に課すことは、許認可の制度として不当なものと言わざるをえません。

 ほぼ何の制限も受けていない栃木県の麻農家ですら減少の一途をたどり(現在、精麻生産で生計を立てているのは実質一軒だけ)後継者も現れない危機的状況です。谷川原夫婦は、精麻生産技術の継承、精麻を必要とする伝統にとって極めて貴重な人財です。現在の三重県の規制が続く限り、精麻生産者が生業として自立することは不可能です。精麻生産技術は継承されず、精麻を必要とする日本の伝統文化の断絶に繋がります。​三重県の規制が変わるまで、皆さまの支援が必要です。

 

 

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